シューベルト、ミサの日曜日
桜満開の4月の第二日曜日は冷たい雨で、肌寒い。上野公園入口にある東京文化会館の向かい、コーヒーサロンと称する大衆食堂のようなところで600円のカレーライスと300円のコーヒーでコンサート前のひと時の、そんな心持でこれを記している。
久々にゆっくりした日曜の朝も、昨日までの積もった仕事をギリギリ、キッチリと仕上げた達成感のような余韻と、少し余した作業の続きをしめくくるために、会社に出て、郵便局の集荷を待って午後からこちらへと出かけた次第である。
雨の中を篠崎からアウトランダーで40分余り、花見客で賑わう日曜の混雑を避けて上野駅からちょっと離れた春日通と清洲橋通りの交差するあたりの日曜は無料の、通称ネギ坊主といわれるパーキングを探して車を停めて、ここまで歩いて20分の・・・
そして、15時開演のミサ曲を待つ。
歌曲やピアノ曲、弦楽四重奏曲やシンフォニーの名曲は数知れずの”シューベルト” 少年の頃より最も多くシューベルトを好んで親しんできたボクである・・・が、シューベルトのミサ曲とのライヴ体験は初めてー期待も膨らみ雨のシトシトが、冷たく暗く哀しみのリズムを刻むように、開演の時が迫ってくる。そうして心を鎮めて、シューベルトのミサ曲のコンサートに臨もうとしている・・・